今回のカウンセリングのテーマは、実際に怒りを感じた場面を振り返ることです。
【怒りが出た状況】
僕はお金を借り入れるのを目的として、銀行へ行きました。そこで次のような状況に出くわしました。
1.まず、入口を入ってすぐに案内所があり、カウンターから身を乗り出すようにして女性係員が「今日はどういうご用件でしょうか?」と聞いてきます。僕が銀行に来た目的を説明すると「ではそちら奥の2番窓口へどうぞ」と手で方向を指してくれます。
2.次に案内された方向へ進んでいくと、今度は中年の男性係員が「今日はどういうご用件でしょうか?」と聞いてきます。「ま、さっきも説明したんですけどね、これこれこういう用件で来ました。」と再度説明しました。すると係員の男性は目の前を指して「では2番窓口へどうぞ。」と案内してくれました。
3.2番窓口の前で整理券をとって待ち、番号を呼ばれて行くと「今日はどういうご用件でしょうか。」と窓口の女性。
4.僕は「いや、ちょっと待ってよ。最初に入口の女性係員に説明して、次にそこの男性係員に説明して、またあなたに説明するのは勘弁して欲しい。」とむっとしながら、さっきの男性係員の方を向き「あなたからちゃんと説明してくださいよ!」と少し声を荒げます。
5.その男性係員は窓口の女性に「あ、借入れね。」と短い言葉を吐いただけ。僕は
「じゃぁ、もう一度説明しますけどね。それよりもおたくの銀行は全く連携がとれてないじゃないの!」と怒りがとうとう外へ出力され、窓口の女性に延々抗議をしてしまいました。
【カウンセリングルームでのやりとり】
カウンセラー「ではなぜ上記の場面で怒りを感じたのでしょう?下記表で自動思考を見つけてみましょう。」
<状況>1~5
<自動思考>?
<感情>怒り
<行動>窓口の女性に怒りながら抗議
僕「<状況>から<感情>へ瞬間的に変わったように感じるので、間に介在する<自動思考>を見つけるのは困難です・・・」
カウンセラー「確かにすぐには難しいですね。でも訓練していくうちに、いずれできるようになりますよ。ではもう一度あなたは何に怒りを感じたのか考えてみましょう。」
僕「そうですね・・・記憶を順番にたどっていくと、まず最初の窓口で聞かれたときは(おせっかいだな・・・けど彼女たちはこれ(案内)が仕事だし。ちゃんと説明しよう)と思いました。
次の男性係員には(なんかこの人頼りなさそうだし、さっきも説明したから面倒だけど、この人もこれが仕事。一応説明しておくか)と思いました。それで・・・そうそう!3人目の窓口の女性の言い方がどうも気に入らなくてここで腹が立ったような気がします。」
カウンセラー「なるほど。前の2人にはどちらかというと同情的だったのに、3人目の窓口女性で怒りが沸いたようですね。
それは彼女の態度に関係がありそうですね。」
僕「そうです。僕が最も嫌いなタイプの女性だと直感的に思いました。きつい口調、気が強くて、相手への配慮に欠ける!」
カウンセラー「怒りのきっかけがわかりましたね。あなたの怒りは決して非合理的なものではありません。同様な体験をすれば多くの人が不愉快に感じる状況ですから。ただ、その後の<行動>窓口の女性に怒りながら抗議、というのは非合理的です。」
僕「おっしゃる通りです。おかげでその後もしばらくイライラが収まらず、仕事にも影響しました。」
カウンセラー「では、その時どう行動すればよかったか考えてみましょう。」
後編へ続きます>>