コーピングスキルの教科書「ストレスに負けない技術」
2015年 01月 28日
認知療法では、不快な感情が起こった時、その時頭に浮かんだ自動思考をより合理的なものに置き換えることでストレスを軽減する、というトレーニングをメインに行なっていきます。けれど、実際には自動思考の修正だけではストレスが軽減されず行き詰るケースがあります。
例えば、職場や学校でいじめられている、うつで仕事を辞めてしまい生活に不安を抱えている、というような場合です。こういった状況下でのストレスは、自動思考を置き換えても現実が変わらない限り不安や苦しみはなかなか和らがないのではないでしょうか。
「ストレスに負けない技術」(田中ウルヴェ/奈良雅弘)では、
ケース:
「最近、Aさんは仕事が多忙で、疲れきっています。これは、上司のB課長が大変な仕事ばかりを自分にやらせるためだとAさんは思っています(実は他の人も同様に忙しい)。きょうもまたB課長が新たな仕事を命じてきました。その場では、とりあえず「わかりました」と答えたものの、時間がたつにつれ、しだいにAさんの感情の怒りは抑えがたくなってきています。」
コーピングの進めかた:
1.反応を鎮めるコーピングを行なう
怒りの感情を大きくしないように深呼吸などを行なう
2.どのようなコーピングを行なうと有効か冷静に考える
3.実際にコーピングを展開する
a.仕事を減らしてもらうようB課長に願いでる
b.周囲の人も忙しいという事実を理解し、「みんなも忙しいのだから自分もがんばろう」と考え直
す(ここが自動思考の修正にあたるんだと思います)
4.どうしていいのかわからない場合は誰かに相談する
1ができたとしても、2から3へ進めないこともあります。この場合はまず相談する、ということで何かヒントをつかむかもしれません
認知療法でいうところの「問題解決」に相当する部分だと思うのですが、本書を読むとスムーズに理解が進むのではないでしょうか。
また他にも「逃げる」ことが重要なコーピングのひとつであることも書かれています。「逃げる=悪いこと」というイメージがありますが、「三十六計逃げるが勝ち」という兵法があるように、逃げることも作戦のひとつなんですね。
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by counselingk
| 2015-01-28 05:00
| ストレスコーピング